編集後記

 

ゼーヘル 復活節第3主日号 編集後記より

▼3月17日からイタリアを旅行しました。今週号から何回かにわたって、その報告をさせていただきます。イタリア第一日目はサン・ピエトロ大聖堂の真下十メートルに入り、紀元後1―2世紀の墓を訪ねました。そのひとつがペトロの墓だとされ、その墓の真上に聖堂が建てられてきました。
▼この地区はテベレ川の西岸で人は住まず、墓だけの場所でした。その墓はひとつの部屋の壁面に何段かの窪みが掘られており、そこに遺体を安置し蓋をするという形式です。非キリスト者の墓のほうがずっと多いわけですが、その間にキリスト者の墓が混じっており、時代と共にその数が増えていると聞きました。時には激しい弾圧を受けながらも、キリスト教信仰が広がる、その力はどこにあるのか考えさせられました。
▼午後はパウロが処刑されたと言われるトレフォンターネに行き、トラピスト修道院の質素な聖堂に行きました。この聖堂は二十年前にローマにいたとき、よく来た場所で、当時をなつかしく思い出しました。
▼現在のサン・ピエトロの大聖堂の地下にも、質素なキリスト教がありました。根っこを思い出すことは大事なことなのでしょう。(雨宮) 

BGM : GLORIA

「命のある限り、主の家に宿り」(詩27:4)
トレフォンターネのトラピスト修道院

撮影 : 雨宮 慧

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