編集後記

「平和な人には未来がある」(詩37:37)
虹色の旗をかかげるアッシジの家

撮影 雨宮 慧

ゼーヘル 主の昇天号 編集後記より

▼上に載せたのはアッシジの民家を撮った写真です。虹を表す七色の横じまの旗が民家の窓にかけられています。これはもともとは「国境なき医師団」の募金のための旗だそうですが、米英軍がイラクに侵攻したことに抗議し、平和を願うしるしとして窓に掲げられているということでした。
▼小さな村でも半数ぐらいの家にこの旗が掲げられていましたし、ペルージア、フィレンツェ、ミラノなど私たちが訪れた都市ではこれを手にしたデモ行進に必ず遭遇しました。もっとも、特に若い人たちのなかにはピクニック気分といった感じの人もいましたが、自分の意思を率直に表現するヨーロッパの人々をすばらしいと思いました。
▼この原稿を書いているのは4月10日ですが、早朝、外国のニュース番組を流すBS放送を見て驚きました。アメリカのCNNでは、引き倒されたフセイン大統領の像の上に乗って喜ぶ民衆が映し出されていましたが、カタールのアルジャジーラでは、綱を像にくくりつけたのは米兵で、引き倒したのはアメリカの戦車であることを映し、倒れた像の上に乗る民衆は登場しませんでした。どちらも事実の一部であって、真実ではないと言うべきです。(雨宮)

BGM : CREDO I

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