編集後記

「神に従う人はなつめやしのように茂り」(詩92:13)
ラヴェンナのアリウス派洗礼堂円蓋モザイク

撮影 雨宮 慧

ゼーヘル 聖ペトロ 聖パウロ使徒号 編集後記より

▼七日目は日本に帰国する本隊とミラノで別れて、七人の残留組による珍道中が開始されることになりました。まずはラヴェンナに向かって、鉄道の旅です。
▼キリスト教を国教に定めたテオドシウス帝の死(三九五年)とともに、ローマ帝国は分裂しますが、四〇二年以降、ラヴェンナが西ローマ帝国の首都となり、発展が始まります。その後一四〇年ほど聖堂や洗礼堂が次々と建てられましたが、6世紀後半には歴史の表舞台から姿を消してゆきます。重要性を無くしたこの町は破壊をまぬがれたので、建造物も現在まで残されることになりました。
▼5―6世紀に建てられたこれらの建造物は、その内部がいずれも豪華なモザイクで飾られています。何度か修復されているでしょうが、15世紀も前のものとは思えない綺麗さで、お伽の国に入ったような楽しさを感じさせます。
▼上の写真はアリウス派洗礼堂の天井モザイクです。フラッシュは禁止ですし、三脚は持ってゆかなかったので、お見せできるのは、この写真程度になってしまいました。イタリアに行くことがあったら、ぜひご自身の目で見てください。そしてそのときには、ラヴェンナのピザも味わってください。絶品です。 (雨宮)


BGM : RORATE CAELI DESUPER

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