編集後記

 

ゼーヘル 年間第16主日 編集後記より

▼4月6日の午前中はタオルミーナを見て歩きました。この町からはエトナ山を一望できるはずですが、期待も空しく厚い雨雲にはばまれて、まったく見ることができませんでした。結局、シチリア島での四日間は雨模様の毎日になりました。
▼タオルミーナはイオニア海を見下ろす崖の中腹に広がった狭い町ですが、海と山が織りなす風光明媚な保養地として発展しました。しかし、紀元前3世紀に造られた円形劇場が残っていることから分かるように、歴史のある町です。
▼猫の額ほどといっても良い狭い町ですから、町が外に向けて広がることがありません。そこで、一つの建築物が時代の流れに応じて別の用途に再利用されてゆきます。例えば、ギリシアの時代には神殿であった施設が、ローマの時代には劇場に改築され、さらにキリスト教が広まるとともに教会に造り替えられており、その様子が手に取るように確認できます。
▼左の写真は円形劇場から撮ったイオニア海です。小雨まじりの天気ですから、鉛色に近い、期待はずれの海でした。晴れていれば、と思いましたが、どうにもなりません。しかたなく、バスでシラクーサに向かいました。(雨宮)

海に砕け散る波。さらに力強く、高くいます主(詩93:4)
タオルミーナからのイオニア海(撮影 雨宮)

BGM : Sarabande by CORBETTA, Francesco

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