編集後記

 

ゼーヘル 年間第19主日 編集後記より

▼アッパー・バラッカ・ガーデン を出て、街中に戻った我々は聖ヨハネ大聖堂に入りました。この聖堂は聖ヨハネ騎士団の守護聖人である聖ヨハネにささげられており、16世紀後半に創建されました。
▼外観は質素ですが、内部に入って驚きました。左の写真がそれですが、身廊は幅15m、長さ57m、高さ19mもあるそうで、床一面に約四百の墓碑が美しい色大理石ではめ込まれ、正面の祭壇はラピスラズリ(青金石)と色大理石、さらに金銀で飾られ、身廊の両脇には騎士たちの出身地別に八つのチャペルが配置され、右側にはカラヴァッジオの「洗礼者ヨハネの斬首」がある付属美術館への入り口があります。
▼聖ヨハネ騎士団は一一一三年にエルサレムで創設されましたが、一二九一年に聖地を放棄し、一三〇八年にロードス島に本拠地を移しました。しかし、一五二二年にトルコ軍に追い出され、10年あまりの放浪の後、マルタ島に移住し、一五六五年のトルコ軍による大包囲を撃退し、黄金時代を迎えます。
▼創設当初から病院活動を行ってきましたが、現在でも「国土なき国家」として欧州議会やユネスコに代表を送り、その活動を続けていると聞きました。(雨宮)

神殿のものみなは唱える、「栄光あれ」と(詩29:9)
ヴァレッタの聖ヨハネ大聖堂(撮影 雨宮)

BGM : Et in saecula saeculorum by PACCHIONI, Antonio Maria

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