編集後記

 

ゼーヘル 年間第20主日 編集後記より


▼7日の午後はヴァレッタから南東方向に6キロほど離れたタルシーンにある巨石神殿を訪れました。巨石神殿とは名前のとおりに、巨石を組み合わせて造られた神殿のことです。
▼マルタには巨石神殿が多く残されていますが、タルシーンの神殿はその中でも新しい時代のもので、紀元前2千年ごろに造られたと聞きました。女神が礼拝されていましたが、その姿は奇妙としか思えない姿です。
▼左の写真がタルシーンの神殿から見つかった女神像です。上半身は破損を受けてしまっていて、下半身だけですが、お相撲さんのような肥満体であるのは明らかです。マルタで見つかった女神像はどれもが、これと同じような体型で、しかも頭部はきわめて貧弱で、さほど重視されていなかったと思われます。
▼しかも、神殿構造そのものも母親の体型をまねており、このような神殿に入ることは、自己再生を意味していた、と言われます。人間が求めるのは豊かさですから、この巨石神殿とその女神は、人間の願望をきわめてストレートに投影したものだったのです。
▼今度の旅行の中でも、タルシーンは最も思い出に残る場所になりました。(雨宮)

あなたは地に臨んで水を与え、豊かさを加えられます
(詩65:10)
タルシーンの女神像(撮影 雨宮)

BGM : Sonata Sancti Polycarpi by BIBER

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