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apollytroosis
  アポリュトローシス
     解放・贖い

C・待降・1


もともとは奴隷や捕虜を「買い戻すこと」、買い戻し金を払って「解放すること」を意味する(『リュトロン〈買い戻し金・贖い〉』を参照)。この語が使われるのは比較的まれであり、しばしば原義から離れた意味で使われる

(1)文字通りに、「解放」
(a)背教を交換条件として差し出された「解放」
▼ヘブ一一35 女たちは、死んだ身内を生き返らせてもらいました。他の人たちは、更にまさったよみがえりに達するために、【釈放】を拒み、拷問にかけられました。
 
(2)転義して、「キリストによる、罪と有限性からの解放」
(α)贖罪、贖い、また、贖われている状態
(a)キリスト・イエスにおける「贖い」を通して
▼ロマ三24 ただキリスト・イエスによる【贖いの業】を通して、神の恵みにより無償で義とされるのです。
(b)違犯(罪)の贖いのために
▼ヘブ九15 こういうわけで、キリストは新しい契約の仲介者なのです。それは、最初の契約の下で犯された罪の【贖い】として、キリストが死んでくださったので、召された者たちが、既に約束されている永遠の財産を受け継ぐためにほかなりません。
(c)動詞エンギゾー〈近づく〉と共に、「贖いは近づいている」
▼ルカ二一28 このようなことが起こり始めたら、身を起こして頭を上げなさい。あなたがたの【解放の時】が近いからだ。」
(d)はかなさからの「体の解放」、あるいは、「体の救い」
▼ロマ八23 被造物だけでなく、″霊″の初穂をいただいているわたしたちも、神の子とされること、つまり、体の【贖われること】を、心の中でうめきながら待ち望んでいます。
  注― 2コリ五8と同様に、名詞ソーマ〈体〉は名詞サルクス〈肉〉と同義
(e)動詞エコー〈持つ〉の目的語として、「贖いを持っている」
▼エフェ一7 わたしたちはこの御子において、その血によって【贖われ】、罪を赦されました。これは、神の豊かな恵みによるものです。
▼コロ一14 わたしたちは、この御子によって、【贖い】、すなわち罪の赦しを得ているのです。
(f)「贖いの」日のために保証印を押された
▼エフェ四30 神の聖霊を悲しませてはいけません。あなたがたは、聖霊により、【贖い】の日に対して保証されているのです。
(g)それを通して神の所有物となる「贖い」
▼エフェ一14 この聖霊は、わたしたちが御国を受け継ぐための保証であり、こうして、わたしたちは【贖われて】神のものとなり、神の栄光をたたえることになるのです。
(β)具象名詞として使われ、「救い主」
(a)キリストはわたしたちにとって「救い主」
▼1コリ一30 神によってあなたがたはキリスト・イエスに結ばれ、このキリストは、わたしたちにとって神の知恵となり、義と聖と【贖い】となられたのです。