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echthros  
  エクスロス
      敵

A・年間・16


敵対する、敵意のある、敵の
(1)受動的な意味で使われ、「憎まれている、憎悪されている」
(a)アガペートス〈愛されている〉の対語として
▼ロマ一一28 福音について言えば、イスラエル人は、あなたがたのために【神に敵対しています】が、神の選びについて言えば、先祖たちのお陰で神に愛されています。
     (ここではアガペートス〈愛されている〉と対比的に使われているので、「憎まれている」という受動の意味で使われている可能性が大いにある)

(2)能動的な意味で使われ、「憎んでいる、敵意のある、敵対する」
(α)形容詞として
(a)名詞アンスローポス〈人〉を形容して、「敵意のある人」
▼マタ一三28 主人は、『【敵】の仕業だ』と言った。そこで、僕たちが、『では、行って抜き集めておきましょうか』と言うと、
      (このエクスロスは、アンスローポスの前に置かれているので、形容詞である。しかし、アンスローポス自身が不特定性を強調する役割を果たしているとも言える。この場合は、「だれかある敵」の意味になるので、この用例は(β)項にも属する)
(β)名詞として、「敵(人間の)」
(イ)単独で使用されて
(a)一般的に
▼2クレメンス 六3 
(b)人々の敵
▼ルカ一74 【敵】の手から救われ、
     恐れなく主に仕える、 
▼2テサ三15 しかし、その人を【敵】とは見なさず、兄弟として警告しなさい。 
▼ディダケー 一3b
▼バルナバの手紙 一六4 
◆ルカ一九43 やがて時が来て、【敵】が周りに堡塁を築き、お前を取り巻いて四方から攻め寄せ、
◆黙一一5 この二人に害を加えようとする者があれば、彼らの口から火が出て、その【敵】を滅ぼすであろう。この二人に害を加えようとする者があれば、必ずこのように殺される。
◆黙一一12 二人は、天から大きな声があって、「ここに上って来い」と言うのを聞いた。そして雲に乗って天に上った。彼らの【敵】もそれを見た。
(c)神、あるいはキリストの敵
▼ロマ五10 【敵】であったときでさえ、御子の死によって神と和解させていただいたのであれば、和解させていただいた今は、御子の命によって救われるのはなおさらです。 
▼1コリ一五25 キリストはすべての【敵】を御自分の足の下に置くまで、国を支配されることになっているからです。 
▼コロ一21 あなたがたは、以前は神から離れ、悪い行いによって心の中で神に【敵対して】いました。 
▼1クレメンス 三六6 
(d)最後の敵としての死
▼1コリ一五26 最後の【敵として】、死が滅ぼされます。 
(e)敵としての悪魔
▼ルカ十19 蛇やさそりを踏みつけ、【敵】のあらゆる力に打ち勝つ権威を、わたしはあなたがたに授けた。だから、あなたがたに害を加えるものは何一つない。
▽マタ一三39 毒麦を蒔いた【敵】は悪魔、刈り入れは世の終わりのことで、刈り入れる者は天使たちである。
(ロ)憎悪の対象となる人格的存在を属格で示して
(a)人間が憎悪の対象
▼マタ五43 「あなたがたも聞いているとおり、『隣人を愛し、【敵】を憎め』と命じられている。 
▼マタ五44 しかし、わたしは言っておく。【敵】を愛し、自分を迫害する者のために祈りなさい。
▼ルカ六27 「しかし、わたしの言葉を聞いているあなたがたに言っておく。【敵】を愛し、あなたがたを憎む者に親切にしなさい。
▼ルカ六35 しかし、あなたがたは【敵】を愛しなさい。人に善いことをし、何も当てにしないで貸しなさい。そうすれば、たくさんの報いがあり、いと高き方の子となる。いと高き方は、恩を知らない者にも悪人にも、情け深いからである。 
▼マタ十36 こうして、自分の家族の者が【敵】となる。 
▼マタ一三25 人々が眠っている間に、【敵】が来て、麦の中に毒麦を蒔いて行った。 
▼ルカ一71 それは、我らの【敵】、
     すべて我らを憎む者の手からの救い。 
▼ルカ一九27 ところで、わたしが王になるのを望まなかったあの【敵ども】を、ここに引き出して、わたしの目の前で打ち殺せ。』」 
▼ロマ一二20 「あなたの【敵】が飢えていたら食べさせ、渇いていたら飲ませよ。そうすれば、燃える炭火を彼の頭に積むことになる。」
▼ガラ四16 すると、わたしは、真理を語ったために、あなたがたの【敵】となったのですか。
(b)神、あるいはキリストが憎悪の対象
[詩一〇九1からの引用]
▼マタ二二44 『主は、わたしの主にお告げになった。
 「わたしの右の座に着きなさい、
 わたしがあなたの【敵】を
 あなたの足もとに屈服させるときまで」と。』
▼マコ一二36 ダビデ自身が聖霊を受けて言っている。
 『主は、わたしの主にお告げになった。
 「わたしの右の座に着きなさい。
 わたしがあなたの【敵】を
 あなたの足もとに屈服させるときまで」と。』
▼ルカ二〇43 わたしがあなたの【敵】を
 あなたの足台とするときまで」と。』 
▼使二35 わたしがあなたの【敵】をあなたの足台とす  るときまで。」』 
▼ヘブ一13 神は、かつて天使のだれに向かって、「わたしがあなたの【敵】をあなたの足台とするまで、わたしの右に座っていなさい」と言われたことがあるでしょうか。 
▼ヘブ十13 その後は、【敵ども】が御自分の足台となってしまうまで、待ち続けておられるのです。
▼1クレメンス 三六5
[神の敵]
▼ヤコ四4 神に背いた者たち、世の友となることが、神の敵となることだとは知らないのか。世の友になりたいと願う人はだれでも、神の【敵】になるのです。
(ハ)憎悪の対象である事物を属格で示して
(a)名詞ディカイオシュネー〈正義〉の属格」と共に、「正義の敵」
▼使一三10 言った。「ああ、あらゆる偽りと欺きに満ちた者、悪魔の子、すべての正義の【敵】、お前は主のまっすぐな道をどうしてもゆがめようとするのか。 
(b)名詞スタウロス〈十字架〉の属格と共に、「(キリストの)十字架の敵」
▼フィリ三18 何度も言ってきたし、今また涙ながらに言いますが、キリストの十字架に【敵対して】歩んでいる者が多いのです。