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kleesis
クレーシス
呼び声・招き・立場
(1)「呼び声、呼ぶこと、招き」(新約聖書と使徒教父文書ではほとんど宗教的意味でのみ用いられ、神の呼びかけ、神の国へ入るようにという招きを表す)
(a)形容詞エプーラニオス〈天の〉が修飾して、「天の(=神の)呼びかけ」
▼ヘブ三1 だから、天の【召し】にあずかっている聖なる兄弟たち、わたしたちが公に言い表している使者であり、大祭司であるイエスのことを考えなさい。
(b)名詞セオス〈神〉の属格を伴って、「神からの呼びかけ」
▼ロマ一一29 神の賜物と【招き】とは取り消されないものなのです。
(c)神を指す代名詞の属格を伴って、「神の招きによって与えられる希望」
▼エフェ一18 心の目を開いてくださるように。そして、神の【招きによって】どのような希望が与えられているか、聖なる者たちの受け継ぐものがどれほど豊かな栄光に輝いているか悟らせてくださるように。
注― 直訳「[神の]招き[の希望]」
(d)二人称の代名詞属格を伴って、「あなたがたへの招きがあなたがたにもたらすところの希望」
▼エフェ四4 体は一つ、霊は一つです。それは、あなたがたが、一つの希望にあずかるようにと招かれているのと同じです。
注― 訳出なし。直訳「[あなたがたの]招き[の一つの希望]」
(e)副詞アノー〈上に〉が修飾して、「キリストにおいて神が上へと招く呼びかけ」
▼フィリ三14 神がキリスト・イエスによって上へ【召して】、お与えになる賞を得るために、目標を目指してひたすら走ることです。
▽1クレメンス 四六6
(f)形容詞ハギオス〈聖なる〉が修飾して、「聖なる呼びかけによって呼ぶ」
▼2テモ一9 神がわたしたちを救い、聖なる【招き】によって呼び出してくださったのは、わたしたちの行いによるのではなく、御自身の計画と恵みによるのです。この恵みは、永遠の昔にキリスト・イエスにおいてわたしたちのために与えられ、
▽エフェ四1 そこで、主に結ばれて囚人となっているわたしはあなたがたに勧めます。神から招かれたのですから、その【招き】にふさわしく歩み、
▽エフェ四4 体は一つ、霊は一つです。それは、あなたがたが、一つの希望にあずかるようにと招かれているのと同じです。
注― 訳出なし。((1)(d)を参照)
(g)動詞アクシオオー〈ふさわしいと見なす〉に属格形で続いて、「誰かを招きにふさわしいと見なす」
▼2テサ一11 このことのためにも、いつもあなたがたのために祈っています。どうか、わたしたちの神が、あなたがたを【招き】にふさわしいものとしてくださり、また、その御力で、善を求めるあらゆる願いと信仰の働きを成就させてくださるように。
(h)人物の属格を伴って、「誰かが手にいれた招き」
▼2ペト一10 だから兄弟たち、【召されていること】、選ばれていることを確かなものとするように、いっそう努めなさい。これらのことを実践すれば、決して罪に陥りません。
(i)動詞ブレポー〈見る〉の目的語となって、「あなたがたの招き(すなわち、招きがあったときに起こったこと)をよく考えなさい」
▼1コリ一26 兄弟たち、あなたがたが【召されたときのこと】を、思い起こしてみなさい。人間的に見て知恵のある者が多かったわけではなく、能力のある者や、家柄のよい者が多かったわけでもありません。
(j)名詞エパンゲリアー〈約束〉の属格を伴って、「彼の約束の(すなわち、約束の中にある)呼びかけ」
▼バルナバの手紙 一六9
(k)洗礼を表すのに用いられて。形容詞メガス〈大きい〉と形容詞セムノス〈気高い〉と共に、「偉大で気高い呼びかけの後に」
▼ヘルマスの牧者第四のいましめ 三6
▽ヘルマスの牧者第八のたとえ 一一1
(2)「立場、地位、職業」
(a)「前置詞エン〈の中に〉+与格形」で動詞メノー〈留まる〉と共に、「誰でも皆、召されたときに自分の天分を知ったところの立場に留まりなさい」
▼1コリ七20 おのおの召されたときの【身分】にとどまっていなさい。