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seemeion
セーメイオン
しるし
B・主の昇天
(1)しるし、(あるものを判別する)目印、証拠、特徴
(a)しるし
▼ルカ二12 あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへの【しるし】である。」
▼2テサ三17 わたしパウロが、自分の手で挨拶を記します。これはどの手紙にも記す【印】です。わたしはこのように書きます。
(b)前もって合意された「合図」
▼マタ二六48 イエスを裏切ろうとしていたユダは、「わたしが接吻するのが、その人だ。それを捕まえろ」と、前もって【合図】を決めていた。
▼1クレメンス一二7
(c)来るべき事柄の「しるし」
▼マコ一三4 「おっしゃってください。そのことはいつ起こるのですか。また、そのことがすべて実現するときには、どんな【徴】があるのですか。」
▼ルカ二一7 そこで、彼らはイエスに尋ねた。「先生、では、そのことはいつ起こるのですか。また、そのことが起こるときには、どんな【徴】があるのですか。」
(d)再臨・人の子の到来・終わりの時など、待望される出来事を属格で表して、「しるし」
▼マタ二四3 イエスがオリーブ山で座っておられると、弟子たちがやって来て、ひそかに言った。「おっしゃってください。そのことはいつ起こるのですか。また、あなたが来られて世の終わるときには、どんな【徴】があるのですか。」
▼マタ二四30 そのとき、人の子の【徴】が天に現れる。そして、そのとき、地上のすべての民族は悲しみ、人の子が大いなる力と栄光を帯びて天の雲に乗って来るのを見る。
▼マタ一六3 朝には『朝焼けで雲が低いから、今日は嵐だ』と言う。このように空模様を見分けることは知っているのに、時代の【しるし】は見ることができないのか。
(e)警告の「しるし」
▼1クレメンス一一2
[以下の例もこの項に分類される]
▼1コリ一四22 このように、異言は、信じる者のためではなく、信じていない者のための【しるし】ですが、預言は、信じていない者のためではなく、信じる者のためのしるしです。注−使用一回。
▼ルカ一一29 群衆の数がますます増えてきたので、イエスは話し始められた。「今の時代の者たちはよこしまだ。【しるし】を欲しがるが、ヨナの【しるし】のほかには、【しるし】は与えられない。
▼ルカ一一30 つまり、ヨナがニネベの人々に対して【しるし】となったように、人の子も今の時代の者たちに対してしるしとなる。注−使用一回。
▽ルカ二34 シメオンは彼らを祝福し、母親のマリアに言った。「御覧なさい。この子は、イスラエルの多くの人を倒したり立ち上がらせたりするためにと定められ、また、反対を受ける【しるし】として定められています。
(f)新約聖書では割礼は「契約のしるし」、つまり契約に属することのしるし、証拠を意味する(創一七11)。パウロにとっては、このしるしは「刻印、封印」となる。
▼ロマ四11 アブラハムは、割礼を受ける前に信仰によって義とされた証しとして、割礼の【印】を受けたのです。こうして彼は、割礼のないままに信じるすべての人の父となり、彼らも義と認められました。
(g)バルナバの手紙一二5は難解である。この「前置詞エン+与格形」は、「しるしによって」と解するのが最も良いだろう。だが、これは本文が破損している可能性がある。
▼バルナバの手紙一二5
(h)2コリ一二12aは、むしろ次項(2)の範疇に属する。「(真正の)使徒のしるし」とは、動詞カテルガゾマイ〈成し遂げる〉の受動態とそれに続く語が示すように、使徒によって実際に行われる不思議や奇跡である。
▼2コリ一二12a わたしは使徒【であること】を、【しるし】や、不思議な業や、奇跡によって、忍耐強くあなたがたの間で実証しています。
(2)「不思議な出来事、奇跡」、すなわち自然の成りゆきに反する出来事からなる「しるし」
(α)神に起源をもつ「不思議な出来事」。それは神御自身、キリスト、神に従う人々によって起こされる
(a)しるし
▼マタ一二38 すると、何人かの律法学者とファリサイ派の人々がイエスに、「先生、【しるし】を見せてください」と言った。
▼マタ一二39 イエスはお答えになった。「よこしまで神に背いた時代の者たちは【しるし】を欲しがるが、預言者ヨナの【しるし】のほかには、【しるし】は与えられない。
▼マタ一六1 ファリサイ派とサドカイ派の人々が来て、イエスを試そうとして、天からの【しるし】を見せてほしいと願った。
▼マタ一六4 よこしまで神に背いた時代の者たちは【しるし】を欲しがるが、ヨナの【しるし】のほかには、【しるし】は与えられない。」そして、イエスは彼らを後に残して立ち去られた。
▼マコ八11 ファリサイ派の人々が来て、イエスを試そうとして、天からの【しるし】を求め、議論をしかけた。
▼マコ八12 イエスは、心の中で深く嘆いて言われた。「どうして、今の時代の者たちは【しるし】を欲しがるのだろう。はっきり言っておく。今の時代の者たちには、決して【しるし】は与えられない。」
▼マコ一六17 信じる者には次のような【しるし】が伴う。彼らはわたしの名によって悪霊を追い出し、新しい言葉を語る。
▼マコ一六20 一方、弟子たちは出かけて行って、至るところで宣教した。主は彼らと共に働き、彼らの語る言葉が真実であることを、それに伴う【しるし】によってはっきりとお示しになった。
▼ルカ一一16 イエスを試そうとして、天からの【しるし】を求める者がいた。
▼ルカ一一29 群衆の数がますます増えてきたので、イエスは話し始められた。「今の時代の者たちはよこしまだ。【しるし】を欲しがるが、ヨナの【しるし】のほかには、【しるし】は与えられない。
(前記(1)参照)
▼ルカ二三8 彼は、イエスを見ると、非常に喜んだ。というのは、イエスのうわさを聞いて、ずっと以前から会いたいと思っていたし、イエスが何か【しるし】を行うのを見たいと望んでいたからである。
▼ヨハ二11 イエスは、この最初の【しるし】をガリラヤのカナで行って、その栄光を現された。それで、弟子たちはイエスを信じた。
▼ヨハ二18 ユダヤ人たちはイエスに、「あなたは、こんなことをするからには、どんな【しるし】をわたしたちに見せるつもりか」と言った。
▼ヨハ二23 イエスは過越祭の間エルサレムにおられたが、そのなさった【しるし】を見て、多くの人がイエスの名を信じた。
▼ヨハ三2 ある夜、イエスのもとに来て言った。「ラビ、わたしどもは、あなたが神のもとから来られた教師であることを知っています。神が共におられるのでなければ、あなたのなさるような【しるし】を、だれも行うことはできないからです。」
▼ヨハ四54 これは、イエスがユダヤからガリラヤに来てなされた、二回目の【しるし】である。
▼ヨハ六2 大勢の群衆が後を追った。イエスが病人たちになさった【しるし】を見たからである。
▼ヨハ六14 そこで、人々はイエスのなさった【しるし】を見て、「まさにこの人こそ、世に来られる預言者である」と言った。
▼ヨハ六26 イエスは答えて言われた。「はっきり言っておく。あなたがたがわたしを捜しているのは、【しるし】を見たからではなく、パンを食べて満腹したからだ。
▼ヨハ六30 そこで、彼らは言った。「それでは、わたしたちが見てあなたを信じることができるように、どんな【しるし】を行ってくださいますか。どのようなことをしてくださいますか。
▼ヨハ七31 しかし、群衆の中にはイエスを信じる者が大勢いて、「メシアが来られても、この人よりも多くの【しるし】をなさるだろうか」と言った。
▼ヨハ九16 ファリサイ派の人々の中には、「その人は、安息日を守らないから、神のもとから来た者ではない」と言う者もいれば、「どうして罪のある人間が、こんな【しるし】を行うことができるだろうか」と言う者もいた。こうして、彼らの間で意見が分れた。
▼ヨハ十41 多くの人がイエスのもとに来て言った。「ヨハネは何の【しるし】も行わなかったが、彼がこの方について話したことは、すべて本当だった。
▼ヨハ一一47 そこで、祭司長たちとファリサイ派の人々は最高法院を召集して言った。「この男は多くの【しるし】を行っているが、どうすればよいか。
▼ヨハ一二18 群衆がイエスを出迎えたのも、イエスがこのような【しるし】をなさったと聞いたからである。
▼ヨハ一二37 このように多くの【しるし】を彼らの目の前で行われたが、彼らはイエスを信じなかった。
▼ヨハ二〇30 このほかにも、イエスは弟子たちの前で、多くの【しるし】をなさったが、それはこの書物には書かれていない。
▼使四16 言った。「あの者たちをどうしたらよいだろう。彼らが行った目覚ましい【しるし】は、エルサレムに住むすべての人に知れ渡っており、それを否定することはできない。
▼使四22 この【しるし】によっていやしていただいた人は、四十歳を過ぎていた。
▼使八6 群衆は、フィリポの行う【しるし】を見聞きしていたので、こぞってその話に聞き入った。
▼1コリ一22 ユダヤ人は【しるし】を求め、ギリシア人は知恵を探しますが、
▼アグラファ9
(b)不思議な業(テララタ)と一緒に、「しるしと不思議な業」
▼ヨハ四48 イエスは役人に、「あなたがたは、【しるし】や不思議な業を見なければ、決して信じない」と言われた。
▼使二43 すべての人に恐れが生じた。使徒たちによって多くの不思議な業と【しるし】が行われていたのである。
▼使四30 どうか、御手を伸ばし聖なる僕イエスの名によって、病気がいやされ、【しるし】と不思議な業が行われるようにしてください。」
▼使五12 使徒たちの手によって、多くの【しるし】と不思議な業とが民衆の間で行われた。一同は心を一つにしてソロモンの回廊に集まっていたが、
▼使六8 さて、ステファノは恵みと力に満ち、すばらしい不思議な業と【しるし】を民衆の間で行っていた。
▼使七36 この人がエジプトの地でも紅海でも、また四十年の間、荒れ野でも、不思議な業と【しるし】を行って人々を導き出しました。
▼使一四3 それでも、二人はそこに長くとどまり、主を頼みとして勇敢に語った。主は彼らの手を通して【しるし】と不思議な業を行い、その恵みの言葉を証しされたのである。
▼使一五12 すると全会衆は静かになり、バルナバとパウロが、自分たちを通して神が異邦人の間で行われた、あらゆる【しるし】と不思議な業について話すのを聞いていた。
▼ロマ一五19 また、【しるし】や奇跡の力、神の霊の力によって働かれました。こうしてわたしは、エルサレムからイリリコン州まで巡って、キリストの福音をあまねく宣べ伝えました。
▼ヘブ二4 更に神もまた、【しるし】、不思議な業、さまざまな奇跡、聖霊の賜物を御心に従って分け与えて、証ししておられます。
▼1クレメンス五一5
▼バルナバの手紙四14
▼バルナバの手紙五8
(c)さらに、奇跡(デュナミス)を加えて、「奇跡と不思議な業としるし」
▼使二22 イスラエルの人たち、これから話すことを聞いてください。ナザレの人イエスこそ、神から遣わされた方です。神は、イエスを通してあなたがたの間で行われた奇跡と、不思議な業と、【しるしとによって】、そのことをあなたがたに証明なさいました。あなたがた自身が既に知っているとおりです。 注−与格形。
▼2コリ一二12b わたしは使徒【であること】を、【しるし】や、不思議な業や、奇跡によって、忍耐強くあなたがたの間で実証しています。
注−(1)の(h)を見よ
(d)奇跡(デュナミス)と一緒に、「しるしと奇跡」
▼使八13 シモン自身も信じて洗礼を受け、いつもフィリポにつき従い、すばらしい【しるし】と奇跡が行われるのを見て驚いていた。
▼1クレメンス二五1
▼2クレメンス一五4
(β)サタンやその使いによって行なわれる、悪魔的な性質をもった「奇跡」
(a)人々を惑わすしるし
▼黙一三13 そして、大きな【しるし】を行って、人々の前で天から地上へ火を降らせた。
▼黙一三14 更に、先の獣の前で行うことを許された【しるし】によって、地上に住む人々を惑わせ、また、剣で傷を負ったがなお生きている先の獣の像を造るように、地上に住む人に命じた。
▼黙一六14 これは【しるし】を行う悪霊どもの霊であって、全世界の王たちのところへ出て行った。それは、全能者である神の大いなる日の戦いに備えて、彼らを集めるためである。
▼黙一九20 しかし、獣は捕らえられ、また、獣の前で【しるし】を行った偽預言者も、一緒に捕らえられた。このしるしによって、獣の刻印を受けた者や、獣の像を拝んでいた者どもは、惑わされていたのであった。獣と偽預言者の両者は、生きたまま硫黄の燃えている火の池に投げ込まれた。
注−使用一回。
(b)不思議な業(テララタ)と一緒に、「しるしと不思議な業」
▼マタ二四24 偽メシアや偽預言者が現れて、大きな【しるし】や不思議な業を行い、できれば、選ばれた人たちをも惑わそうとするからである。
▼マコ一三22 偽メシアや偽預言者が現れて、【しるし】や不思議な業を行い、できれば、選ばれた人たちを惑わそうとするからである。
▼2テサ二9 不法の者は、サタンの働きによって現れ、あらゆる偽りの奇跡と【しるし】と不思議な業とを行い、
▼ディダケー一六4
(γ)かつて見られたことがなく、終末の「徴候」として天に現れる恐ろしい現象
(a)徴候
▼ルカ二一11 そして、大きな地震があり、方々に飢饉や疫病が起こり、恐ろしい現象や著しい【徴】が天に現れる。
▼ルカ二一25 「それから、太陽と月と星に【徴】が現れる。地上では海がどよめき荒れ狂うので、諸国の民は、なすすべを知らず、不安に陥る。
▼使二19 上では、天に不思議な業を、
下では、地に【徴】を示そう。
血と火と立ちこめる煙が、それだ。
▽ディダケー一六6
(b)黙示を受ける人が天に見るもの
▼黙一二1 また、天に大きな【しるし】が現れた。一人の女が身に太陽をまとい、月を足の下にし、頭には十二の星の冠をかぶっていた。
▼黙一二3 また、もう一つの【しるし】が天に現れた。見よ、火のように赤い大きな竜である。これには七つの頭と十本の角があって、その頭に七つの冠をかぶっていた。
▼黙一五1 わたしはまた、天にもう一つの大きな驚くべき【しるし】を見た。七人の天使が最後の七つの災いを携えていた。これらの災いで、神の怒りがその極みに達するのである。
(c)イエスの死に際して、天と地に現れた重大な徴
▼ペトロ福音書八28