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teleios
テレイオス
完成した・完全な
A・年間・7
終点や目標に達した、完成した、完全な
(1)事物に使われて
(α)よい意味で
(イ)形容詞として
(a)次のような名詞を修飾して
[名詞エルゴン〈働き〉]
▼ヤコ一4a 【あくまでも】忍耐しなさい。そうすれば、【完全】で申し分なく、何一つ欠けたところのない人になります。
直訳ー 「[忍耐が]完全な[働きを持つように]」
▽イグナティオスの手紙
スミルナのキリスト者へ 一一2
[名詞ドーレーマ〈賜物〉]
▼ヤコ一17 良い贈り物、【完全な】賜物はみな、上から、光の源である御父から来るのです。御父には、移り変わりも、天体の動きにつれて生ずる陰もありません。
[名詞ノモス〈律法〉]
▼ヤコ一25 しかし、自由をもたらす【完全な】律法を一心に見つめ、これを守る人は、聞いて忘れてしまう人ではなく、行う人です。このような人は、その行いによって幸せになります。
(モーセ律法に対比して)
[名詞アガペー〈愛〉]
▼1ヨハ四18 愛には恐れがない。【完全な】愛は恐れを締め出します。なぜなら、恐れは罰を伴い、恐れる者には愛が全うされていないからです。
[名詞アナリュシス〈出発・死〉]
▼1クレメンス 四四5
[名詞グノーシス〈知識〉]
▼1クレメンス 一2
▼バルナバの手紙 一5
[名詞プログノーシス〈予知〉]
▼1クレメンス 四四2
[名詞ムネイアー〈記憶〉]
▼1クレメンス 五六1
[名詞ピスティス〈信頼を引き起こすもの〉]
▼イグナティオスの手紙
スミルナのキリスト者へ 十2
[名詞カリス〈恵み〉]
▼イグナティオスの手紙
スミルナのキリスト者へ 一一1
[名詞ネーステイアー〈断食〉]
▼ヘルマスの牧者第五のたとえ 三6
[名詞ナオス〈神殿〉]
▼バルナバの手紙 四11
[比較級で、名詞スケーネー〈幕屋〉]
▼ヘブ九11 けれども、キリストは、既に実現している恵みの大祭司としておいでになったのですから、人間の手で造られたのではない、すなわち、この世のものではない、更に大きく、【更に完全な】幕屋を通り、
(ロ)名詞として
(a)冠詞を伴い中性形で、「完全なこと」
▼ロマ一二2 あなたがたはこの世に倣ってはなりません。むしろ、心を新たにして自分を変えていただき、何が神の御心であるか、何が善いことで、神に喜ばれ、また【完全なこと】であるかをわきまえるようになりなさい。
▼1コリ一三10 【完全なもの】が来たときには、部分的なものは廃れよう。
注ー 「前置詞エク+名詞メロスの属格」=「部分的に」と対照的に
(b)形容詞エナルトス〈徳の高い〉と共に、「(何か)徳の高いことと完全なこと」
▼イグナティオスの手紙
フラデルフィアのキリスト者へ 一2
(c)名詞グノーシス〈知識〉の属格を伴って、「わたしたちの知識の極致」
▼バルナバの手紙 一三7
(d)中性・複数形で、「完全なもの」
▼イグナティオスの手紙
スミルナのキリスト者へ 一一3b
(β)悪い意味で
(イ)形容詞として
(a)次の名詞を修飾して
[名詞ハマルティアー〈罪〉の複数形]
▼バルナバの手紙 八1
▼ヘルマスの牧者第一の幻 二1
[名詞スカンダロン〈つまずき〉]
▼バルナバの手紙 四3
(ロ)名詞として
(a)名詞ハマルティアーの属格を伴い、中性・単数形で、「罪の極致」
▼バルナバの手紙 五11
(2)人物に使われる
(α)年齢について使われ、「十分に成長した、成熟した、成人した」
(イ)形容詞として
(a)名詞アネール〈男・人間〉を修飾して、
▼エフェ四13 ついには、わたしたちは皆、神の子に対する信仰と知識において一つのものとなり、【成熟した】人間になり、キリストの満ちあふれる豊かさになるまで成長するのです。
注ー ネーピオイ〈未熟な者〉と対比して
(b)動詞ギーノマイ〈なる〉の命令法と共に、
▼1コリ一四20 兄弟たち、物の判断については子供となってはいけません。悪事については幼子となり、物の判断については【大人】になってください。
(ロ)名詞として
(a)男性・複数・属格形で、「固い食物は大人たちに(だけ)ふさわしい」
▼ヘブ五14 固い食物は、善悪を見分ける感覚を経験によって訓練された、【一人前の大人のための】ものです。
注ー ネーピオス〈幼子〉と対比して
(b)男性・複数・主格形で、「成熟した人たち」
▼1コリ二6 しかし、わたしたちは、【信仰に成熟した人たち】の間では知恵を語ります。それはこの世の知恵ではなく、また、この世の滅びゆく支配者たちの知恵でもありません。
注ー 冠詞と共に。W.バウワーはこれを三1のネーピオイ〈幼子〉と対比する。しかしこれは次項に入る例かもしれない
(ハ)神秘宗教の用語として、男性・単数・主格形で、秘伝 の儀式(テレテー)に導かれた者を指す
(a)秘伝を授けられた人
▼フィリ三15 だから、わたしたちの中で【完全な者】はだれでも、このように考えるべきです。しかし、あなたがたに何か別の考えがあるなら、神はそのことをも明らかにしてくださいます。
▼コロ一28 このキリストを、わたしたちは宣べ伝えており、すべての人がキリストに結ばれて【完全な】者となるように、知恵を尽くしてすべての人を諭し、教えています。
注ー これもここに分類されるだろう
(β)ある事項に関して完全に標準に達している人物に使われ、「熟達した、完璧な、老練な」
(a)名詞アスレーテース〈運動選手〉を修飾して
▼イグナティオスの手紙
ポリュカルポスへ 一3
(b)「前置詞カタ+名詞ピスティス〈信仰〉の対格」を伴って、「信仰に関して完璧」
▼1クレメンス 五五6
(c)名詞アンスローポス〈人間〉を修飾して、「完璧な人間」
▼イグナティオスの手紙
スミルナのキリスト者へ 四2
(γ)道徳的な意味で、「完全な、成熟した」
(a)名詞アネール〈男・人間〉を修飾して、「完全な人間」
▼ヤコ三2 わたしたちは皆、度々過ちを犯すからです。言葉で過ちを犯さないなら、それは自分の全身を制御できる【完全な】人です。
(b)だいたいは名詞を伴わずに
▼マタ一九21 イエスは言われた。「もし【完全】になりたいのなら、行って持ち物を売り払い、貧しい人々に施しなさい。そうすれば、天に富を積むことになる。それから、わたしに従いなさい。」
▽イグナティオスの手紙
エフェソのキリスト者へ 一五2
▽ディダケー 一4
▽ディダケー 六2
[複数形で]
▼マタ五48a だから、あなたがたの天の父が【完全】であられるように、あなたがたも【完全な者】となりなさい。」
▼イグナティオスの手紙
スミルナのキリスト者へ 一一3a
[形容詞ホロクレーロス〈無欠の〉と併記]
▼ヤコ一4b 【あくまでも】忍耐しなさい。そうすれば、【完全】で申し分なく、何一つ欠けたところのない人になります。
[動詞プレーロフォレオーの完了分詞受動態〈満たされている・十分に確信している〉と併記]
▼コロ四12 あなたがたの一人、キリスト・イエスの僕エパフラスが、あなたがたによろしくと言っています。彼は、あなたがたが【完全な者】となり、神の御心をすべて確信しているようにと、いつもあなたがたのために熱心に祈っています。
(δ)神がテレイオス〈完全な〉と呼ばれる
▼マタ五48b だから、あなたがたの天の父が【完全】であられるように、あなたがたも【完全な者】となりなさい。」