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uuai
ウーアイ
悲しいかな・不幸
C・年間・6
(1)苦痛や悲嘆を示す感嘆詞として「ああ、悲しいかな、哀れ」
(α)苦痛が示される対象を与格で表す
(a)「コラジン(ベトサイダ)よ、あなたにはああ悲惨=コラジンよ、あなたは不幸だ」
▼マタ一一21 「コラジン、お前は【不幸だ】。ベトサイダ、お前は【不幸だ】。お前たちのところで行われた奇跡が、ティルスやシドンで行われていれば、これらの町はとうの昔に粗布をまとい、灰をかぶって悔い改めたにちがいない。
▼ルカ十13 「コラジン、お前は【不幸だ】。ベトサイダ、お前は【不幸だ】。お前たちのところでなされた奇跡がティルスやシドンで行われていれば、これらの町はとうの昔に粗布をまとい、灰の中に座って悔い改めたにちがいない。
(b)つまずきをもたらす者には
▼マタ一八7b 世は人をつまずかせるから【不幸だ】。つまずきは避けられない。だが、つまずきをもたらす者は【不幸である】。
(c)律法学者やファイリサイ派の人々など、偽善者には
▼マタ二三13 律法学者たちとファリサイ派の人々、あなたたち偽善者は【不幸だ】。人々の前で天の国を閉ざすからだ。自分が入らないばかりか、入ろうとする人をも入らせない。
▼マタ二三14 律法学者とファリサイ派の人々、あなたたち偽善者は【不幸だ】。やもめの家を食い物にし、見せかけの長い祈りをする。だからあなたたちは、人一倍厳しい裁きを受けることになる。
▼マタ二三15 律法学者たちとファリサイ派の人々、あなたたち偽善者は【不幸だ】。改宗者を一人つくろうとして、海と陸を巡り歩くが、改宗者ができると、自分より倍も悪い地獄の子にしてしまうからだ。
▼マタ二三16 ものの見えない案内人、あなたたちは【不幸だ】。あなたたちは、『神殿にかけて誓えば、その誓いは無効である。だが、神殿の黄金にかけて誓えば、それは果たさねばならない』と言う。
▼マタ二三23 律法学者たちとファリサイ派の人々、あなたたち偽善者は【不幸だ】。薄荷、いのんど、茴香の十分の一は献げるが、律法の中で最も重要な正義、慈悲、誠実はないがしろにしているからだ。これこそ行うべきことである。もとより、十分の一の献げ物もないがしろにしてはならないが。
▼マタ二三25 律法学者たちとファリサイ派の人々、あなたたち偽善者は【不幸だ】。杯や皿の外側はきれいにするが、内側は強欲と放縦で満ちているからだ。
▼マタ二三27 律法学者たちとファリサイ派の人々、あなたたち偽善者は【不幸だ】。白く塗った墓に似ているからだ。外側は美しく見えるが、内側は死者の骨やあらゆる汚れで満ちている。
▼マタ二三29 律法学者たちとファリサイ派の人々、あなたたち偽善者は【不幸だ】。預言者の墓を建てたり、正しい人の記念碑を飾ったりしているからだ。
(d)終わりの日に身重の女や、人の子を裏切る者には
▼マタ二四19 それらの日には、身重の女と乳飲み子を持つ女は【不幸だ】。
▼マタ二六24 人の子は、聖書に書いてあるとおりに、去って行く。だが、人の子を裏切るその者は【不幸だ】。生まれなかった方が、その者のためによかった。」
▼マコ一三17 それらの日には、身重の女と乳飲み子を持つ女は【不幸だ】。
▼マコ一四21 人の子は、聖書に書いてあるとおりに、去って行く。だが、人の子を裏切るその者は【不幸だ】。生まれなかった方が、その者のためによかった。」
▼ルカ二一23 それらの日には、身重の女と乳飲み子を持つ女は【不幸だ】。この地には大きな苦しみがあり、この民には神の怒りが下るからである。
▼ルカ二二22 人の子は、定められたとおり去って行く。だが、人の子を裏切るその者は【不幸だ】。」
▼1クレメンス 四六8
▼ヘルマスの牧者第四の幻 二6
▼ディダケー 一5
▼ペトロ福音書 七25
(e)与格の指示代名詞が省略されて、「それをもたらす者(その人)には」
▼ルカ一七1 イエスは弟子たちに言われた。「つまずきは避けられない。だが、それをもたらす者は【不幸である】。
▽2クレメンス 一三2
▽イグナティオスの手紙
トラレスのキリスト者へ 八2
(f)理由の接続詞ホティ〈というのは〉が続いて、理由が述べられ
▼ルカ六24 しかし、富んでいるあなたがたは、【不幸である】、あなたがたはもう慰めを受けている。
▼ルカ六25 今満腹している人々、あなたがたは、【不幸である】、あなたがたは飢えるようになる。今笑っている人々は、【不幸である】、あなたがたは悲しみ泣くようになる。
▼ルカ一一42 それにしても、あなたたちファリサイ派の人々は【不幸だ】。薄荷や芸香やあらゆる野菜の十分の一は献げるが、正義の実行と神への愛はおろそかにしているからだ。これこそ行うべきことである。もとより、十分の一の献げ物もおろそかにしてはならないが。
▼ルカ一一43 あなたたちファリサイ派の人々は【不幸だ】。会堂では上席に着くこと、広場では挨拶されることを好むからだ。
▼ルカ一一44 あなたたちは【不幸だ】。人目につかない墓のようなものである。その上を歩く人は気づかない。」
▼ルカ一一47 あなたたちは【不幸だ】。自分の先祖が殺した預言者たちの墓を建てているからだ。
▼ルカ一一52 あなたたち律法の専門家は【不幸だ】。知識の鍵を取り上げ、自分が入らないばかりか、入ろうとする人々をも妨げてきたからだ。」
▼ルカ一一46 イエスは言われた。「あなたたち律法の専門家も【不幸だ】。人には背負いきれない重荷を負わせながら、自分では指一本もその重荷に触れようとしないからだ。
注― この用例は、ルカ一一章の他の用例とは違って、ウーアイが与格の後に置かれている
▽ユダ11 【不幸】な者たち【です】。彼らは「カインの道」をたどり、金もうけのために「バラムの迷い」に陥り、「コラの反逆」によって滅んでしまうのです。
▽2クレメンス 一七5
▽バルナバの手紙 六2
▽バルナバの手紙 六7
(g)前置詞アポ〈から〉に導かれた前置詞句によって、理由が述べられる
▼マタ一八7a 世は人をつまずかせるから【不幸だ】。つまずきは避けられない。だが、つまずきをもたらす者は【不幸である】。
(h)不変化詞ホタン〈ときは〉が続いて
▼ルカ六26 すべての人にほめられるとき、あなたがたは【不幸である】。この人々の先祖も、偽預言者たちに同じことをしたのである。」
(i)次項(β)への移行は次の用例に示されている。「ああ悲惨、あなたがたは(与格)、満腹している者たちよ(主格)」
▼ルカ六25a 今満腹している人々、あなたがたは、【不幸である】、あなたがたは飢えるようになる。今笑っている人々は、【不幸である】、あなたがたは悲しみ泣くようになる。 ((1)(α)(f)を参照)
(β)冠詞つきの主格が呼格として使われ
(a)今笑っている者たちよ
▼ルカ六25b 今満腹している人々、あなたがたは、【不幸である】、あなたがたは飢えるようになる。今笑っている人々は、【不幸である】、あなたがたは悲しみ泣くようになる。 ((1)(α)(f)を参照)
(b)大きな都よ
▼黙一八10 彼女の苦しみを見て恐れ、遠くに立ってこう言う。「【不幸だ】、【不幸だ】、大いなる都、強大な都バビロン、お前は、ひとときの間に裁かれた。」
▼黙一八16 こう言う。「【不幸だ】、【不幸だ】、大いなる都、麻の布、また、紫の布や赤い布をまとい、金と宝石と真珠の飾りを着けた都。
▼黙一八19 彼らは頭に塵をかぶり、泣き悲しんで、こう叫んだ。「【不幸だ】、【不幸だ】、大いなる都、海に船を持つ者が皆、この都で、高価な物を取り引きし、豊かになったのに、ひとときの間に荒れ果ててしまうとは。」
(c)賢い者よ
▼バルナバの手紙 四11
(d)冠詞なしでも同様に、「見えない盲人よ」
▼オクシリンコスパピルス840による
福音書断片31・32
(γ)人物の対格を伴って
(a)人格化された地と海
▼黙一二12 このゆえに、もろもろの天と、その中に住む者たちよ、喜べ。地と海とは【不幸である】。悪魔は怒りに燃えて、お前たちのところへ降って行った。残された時が少ないのを知ったからである。」
(b)ウーアイが三回繰り返されて
▼黙八13 また、見ていると、一羽の鷲が空高く飛びながら、大声でこう言うのが聞こえた。「【不幸だ】、【不幸だ】、【不幸だ】、地上に住む者たち。なお三人の天使が吹こうとしているラッパの響きのゆえに。」
注― 「ああ悲惨」というその理由は前置詞エク〈中から〉によって導入される
(2)不変化の名詞として
(a)福音を告げ知らせないことは「不幸」
▼1コリ九16 もっとも、わたしが福音を告げ知らせても、それはわたしの誇りにはなりません。そうせずにはいられないことだからです。福音を告げ知らせないなら、わたしは【不幸】なのです。
(b)女性名詞として、「災い、不幸」
▼黙九12a 第一の【災い】が過ぎ去った。見よ、この後、更に二つの【災い】がやって来る。
▼黙一一14a・b 第二の【災い】が過ぎ去った。見よ、第三の【災い】が速やかにやって来る。
(c)複数形で、「なお二つの災いが来る」
▼黙九12b 第一の【災い】が過ぎ去った。見よ、この後、更に二つの【災い】がやって来る。
注― 動詞は単数が使われている