A年年間第14主日
(あなたがたの王が来て、あなたがたの内に宿っているなら、あなたがたは安らぎを得られる)
第一朗読 ゼカリヤ書 9章9―10節 9 娘シオンよ、大いに踊れ。 娘エルサレムよ、歓呼の声をあげよ。 見よ、あなたの王が来る。 彼は神に従い、勝利を与えられた者 高ぶることなく、ろばに乗って来る 雌ろばの子であるろばに乗って。 10 わたしはエフライムから戦車を エルサレムから軍馬を絶つ。 戦いの弓は絶たれ 諸国の民に平和が告げられる。 彼の支配は海から海へ 大河から地の果てにまで及ぶ。 |
第一朗読
ろば |
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第二朗読 ローマの信徒への手紙 8章9・11―13節 9 神の霊があなたがたの内に宿っているかぎり、あなたがたは、肉ではなく霊の支配下にいます。キリストの霊を持たない者は、キリストに属していません。 11 もし、イエスを死者の中から復活させた方の霊が、あなたがたの内に宿っているなら、キリストを死者の中から復活させた方は、あなたがたの内に宿っているその霊によって、あなたがたの死ぬはずの体をも生かしてくださるでしょう。 12 それで、兄弟たち、わたしたちには一つの義務がありますが、それは、肉に従って生きなければならないという、肉に対する義務ではありません。 13 肉に従って生きるなら、あなたがたは死にます。しかし、霊によって体の仕業を絶つならば、あなたがたは生きます。 |
第二朗読 肉・サルクス この語は、新約聖書に147回用いられます。共観福音書の用例は11回だけですが、ヨハネに13回、特にパウロでは頻繁に用いられます。 まず、文字どおりに、人間や動物の骨を覆う物質としての「肉」を意味します。復活したイエスには「肉」も骨もあり(ルカ24:39)、パウロは「肉」に施された外見上の割礼を否定します(ロマ2:28)。 次に、ヘブライ語の用法の影響を受け、単に身体の一部を指すのではなく、生身の体を持って生きる人間のあり方を表す言葉として用いられます。例えば、「肉体・身体」の意味で、人のからだ全体を指したり(使2:26、ガラ4:13、エフェ5:29)、肉体を持って生きる「人間」そのものを指します(マタ24:22並行、ルカ3:6、ヨハ17:2、ロマ3:20)。 さらに、死を免れない存在としての人間や地上での血のつながり(ロマ4:1、9:3)、肉体的制約や地上の生活(1コリ7:28)などを表すのにも用いられます。 パウロは、「肉」は罪に服従しており、進んで罪を犯すと捉えています(ロマ7:18、25)。しかし、キリスト者は「肉」ではなく、霊に従って生きる者です。 |
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今週の福音 マタイによる福音書 11章25―30節 25 そのとき、イエスはこう言われた。「天地の主である父よ、あなたをほめたたえます。これらのことを知恵ある者や賢い者には隠して、幼子のような者にお示しになりました。 26 そうです、父よ、これは御心に適うことでした。 27 すべてのことは、父からわたしに任せられています。父のほかに子を知る者はなく、子と、子が示そうと思う者のほかには、父を知る者はいません。 28 疲れた者、重荷を負う者は、だれでもわたしのもとに来なさい。休ませてあげよう。 29 わたしは柔和で謙遜な者だから、わたしの軛を負い、わたしに学びなさい。そうすれば、あなたがたは安らぎを得られる。 30 わたしの軛は負いやすく、わたしの荷は軽いからである。」 |
今週の福音 天・ウーラノス この語は、まず@「(宇宙の一部としての)天」を意味します。「<天>地」といえば被造物全体を表し(マコ13:31)、「<天>下」といえば地上全体を表します(使2:5)。また星辰が動き(ヘブ11:12)、鳥が飛び(マタ6:26)、雲が浮かぶ「空」を表します(マタ26:64)。 次にA「(神的存在の居場所としての)天」を表します。そこには神の座があり(マタ23:22)、神の霊も神の声も「天」から下ります(マコ1:10―11)。そこで人は「天」を仰いで祈ります(マコ6:41)。また、アダムは土でできた地に属する者ですが、キリストは「天」に属する方であり(1コリ15:47)、世に命を与えるために「天」から降り(ヨハ6:41)、復活して「天」に上げられ、神の右の座に着きました(マコ16:19)。「天」は天使の住まいであり(マタ28:2、ルカ2:15)、キリスト者の本国も「天」にあります(フィリ3:20)。 今週の福音では、@の意味で使われています。宇宙全体の造り主が、人が生きるようにとキリストを派遣しました。 |