C年復活の主日
(力強く証しするようにと、過越の小羊として屠られ、復活なさったのだ)
第一朗読 使徒言行録 10章34a・37―43節 |
第一朗読 使徒言行録 10章34a・37―43節 宣べ伝える・ケーリュッソー この語は「告げ知らせる・大声で布告する」を意味します。用例の多くは、神に由来する知らせを使徒や弟子が「宣べ伝える」の意味で使われています。この語は「何かの教えを自分のものとして抱え込まずに、それをメッセージとして外へ広げる活動」を表します。 イエスは神の国(ルカ8:1)、神の福音(マコ1:14)、主の恵みの年(ルカ4:19)を「宣べ伝え」、十二弟子は神の国(ルカ9:2)、福音(マコ16:15)を「宣べ伝え」、弟子たちはキリスト(使8:5)、イエス(2コリ11:4)、信仰の言葉(ロマ10:8)を「宣べ伝え」ます。 パウロは救いの起こる過程を述べ、宣教者が「遣わされる→宣べ伝える」と、宣教を受ける者が「聞く→信じる→呼び求める→救われる」と教えています(ロマ10:12―15)。 このように聖書が説く救いにとって宣教が不可欠なのは、それが出来事に基づく救いだからです。この出来事を「聞いて、信じる」ことが、私たちの生きる姿勢を変えます。 |
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第二朗読
コリントの信徒への手紙一 5章6b―8節 |
第二朗読 コリントの信徒への手紙一 5章6b―8節 古い・パライオス この語は「長い間存在している」という意味で、「古い」を意味し、しばしば「すたれた、用をなさない」という含みを表すことがあります。 まず、文字どおりの意味で「古い」を意味します。だれも新しい服から布切れを破り取って、「古い」服に継ぎを当てたりせず、新しいぶどう酒を「古い」革袋に入れたりはしません(ルカ5:36―37並行)。「古い」契約が読まれる際には覆いが掛かったままであるのは、キリストにおいて取り除かれるものだからであり(2コリ3:14)、「古い」掟は、キリストを通して新しい掟となります(1ヨハ2:7)。 次に、転義して「昔の、生まれ変わっていない」を意味します。わたしたちの「古い」自分はキリストと共に十字架につけられたのですから(ロマ6:6)、「古い」人をその行いと共に脱ぎ捨てなければなりません(コロ3:9、エフェ5:22)。 今週の朗読では、取り除くべき過去の在りようを「古い」パン種と呼びます。過去に信頼していた価値は滅びに向かうことがキリストによって明らかにされたからです。 |
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今週の福音
ルカによる福音書 24章1―12節 |
今週の福音 ルカによる福音書 24章1―12節 十字架につける・スタウロオー この語は名詞スタウロス〈十字架〉から派生した動詞です。スタウロスはもともとは「(柵のための)杭」とか、「(建物の)支柱」を表しますが、聖書ではもっぱら「水平の横木をつけた処刑用の杭=十字架」を指します。十字架刑はローマ帝国の処刑方法であり、ローマの支配権を見せつけるため、奴隷や外国人や植民地の住人に執行されました。 パウロは、キリストの「十字架」はユダヤ人にはつまずき、異邦人には愚かなことでしかないけれども、信じる者には救いをもたらす神の力の現れだと主張し(1コリ1:23)、「十字架につけられた」キリストを福音として宣べ伝え、キリストと共に「十字架につけられる」ことによって、キリストの命に招き入れられると説きます(ロマ6:6―8)。 空の墓の物語では、天使がイエスを「十字架につけられた方」と呼び、その復活を婦人たちに告げます(マコ16:6)。今週の福音でも、天使はイエスの言葉を引用して、受難と復活が神の救いの出来事であることを教えます。 |